やたらと不幸体質なAという同級生が居た。

2011年11月15日火曜日 ·

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428:本当にあった怖い名無し:2011/09/13(火) 00:46:22.48 ID:zr++0QIK0
不幸の経緯
高校生の頃、やたらと不幸体質なAという同級生が居た。
と言っても不幸な目にばかり遭うというものではなく、
「幸福を得ると目に見えて不幸にも遭う」というもの。
幸福の出所は運でも実力でも同様で、
・試験で良い点を取る→指を骨折
・部活でレギュラー入り→食中毒
・福引で空気清浄機ゲット→ゲーム機故障
こんな感じで一事が万事不幸が付いて回る。
それでも本人は明るく快活で「素直に喜べない」なんてふうも無く前向きな奴だった。
社会人になって2年後、Aと、同じく同級生だった女子から連名で葉書が来た。
おっ、と思って早速読んだらやはり披露宴の招待状。
2人の写真がプリントされてるんだがAは見るからに生傷だらけ。
そんな美少女娶るからだ ザマァwww
と、郵便受けにはもう一枚、「Aの家から」葉書が来ていた。
「真に恐れ入りますが、Aは事故に遭い亡くなりました。招待状のお返事は結構です。」
429: 本当にあった怖い名無し:2011/09/13(火) 00:46:53.07 ID:zr++0QIK0
その葉書にかなり違和感を感じたものの、
数人の同級生と連絡を取って、Aの家にお焼香だけでもさせて貰いに行くか という運びになった。
当日訪ねてみると葬儀は身内だけで済ませたとの事。
仏壇には遺影も無く白木位牌だけが置かれていた。
「態々ありがとうございます、あの子も喜んでると思います」
そういえば彼の体質の影響は家族にも及んでいたんだろうか。
母親とAの弟妹の顔には当然疲れが見えたが寧ろすっきりとした、晴れ晴れとした様子さえ見てとれる。
それはもう晴れ晴れとした……
帰り際、玄関を出ると友人の一人が呟いた
「…なあ、Aが事有る毎に痛い目見てたのってあのかz」
「黙れよウルセェな」
もう一人が遮った。
誰からともなく足早に自分たちの車に向かう。
後ろから「バキィッ メリッ」と木の板が割れるような音がしたが振り返らずその場を去った。
Aは自分に起こる不幸の経緯を誰にも話さなかった。
なら俺たちが今詮索しないのも当然だ、と自分に言い訳した。



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