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2010年1月12日火曜日

一昨年ばあちゃんが死んだ

2008/08/22(金)
217 名前:大人になった名無しさん[]
投稿日:2008/08/21(木) 05:46:16
一昨年ばあちゃんが死んだ
最後に会ったのは俺が中学生の時だったかな
葬式の為に20年越しでばあちゃんの住んでた田舎に行った
次の日、遺品の整理をする為に俺とお袋、それと叔父の三人で
もう誰も帰って来る事の無い家を訪れた
じいちゃんは戦争でとっくに亡くなってたし
ばあちゃんも亡くなる1年前からボケもあって入院してたから
実際には誰も住んでなかったその家の中は埃だらけだった
それなのにまるで昨日までここで生活していたかの様な光景
洗った食器がそのままの台所
新聞が広げられたままの食卓
部屋の隅に畳まれたままの布団
そして小さな冊子が乗ったままの小さなちゃぶ台
叔父がその冊子を手に取って
「こんなものくらいしか楽しみが無かったんだなぁ」
と言って、声を上げるでもなく静かに涙を流してた

近寄って覗いてみると、お袋と叔父の若かった頃の写真、それとまだ子供
だった頃の俺の写真だった
写真は指紋だらけで、カラーだったはずの写真は全部色褪せてセピア色に
なってた
ばあちゃんは足腰が立たなくなってから入院までの間
テレビもラジオも無いこの部屋のこのちゃぶ台で
俺達の昔の写真を手に取って眺めながら一人で何を想ってたんだろう
そう思うと辛かったけど、何とか涙は堪えた
ばあちゃん
ばあちゃんには会いたいけど、もう少しだけ待って欲しい
俺にはまだこの世にやり残してる事があるんだ
俺はお袋が死ぬまで生きなきゃならない
それが親不孝ばかりだった俺にも出来る、唯一の親孝行だからね

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