私は猫が嫌いだ。
最近野良が縁の下に出入りを始め、威嚇行為を繰り返したにも関わらず出ていかない。猛烈に腹が立つ。
そうこうしてる内に、ミィミィと頼りない声が聞こえるようになった。
子供を産みやがった!
畜生ながら、子供大事で餌を探しに行く様子が無くなった。
私の家の下で餓死なんかされてたまるものか!
腸が煮え繰り返るが、朝昼版と餌を与えることにした。
子猫が這い出てくるようになった。
見ると五匹の内の二匹は目やにで目が開かない。
繰り返し目やにを拭き取ってやってもすぐ潰れる。
業を煮やして医者に連れて行った。
六時間ごとにさす目薬を貰う。
ウイルス性結膜炎だそうで、五匹全員に六時間ごとに点眼する。
寒くなってきたので、ホムセンで発泡スチロールの箱を購入し、バスタオルを敷いてやる。
野良なので当然だが、ノミがすごい。
ノミをもらうのが嫌で、蚤取り櫛を買ってくる。
引っ掻かれるのが嫌で爪切りを買ってくる。
目薬の順番の目印に、首輪を巻いてやる。
…世話をしてる内に母猫がバックレやがった!
まだ乳も離れていないのに!
ミルクと哺乳瓶を買ってくる。
離乳食を作ってやる。
子猫用レトルトとドライフードを買ってくる。
納戸を片付けて猫部屋を作ってやる。
猫部屋に炬燵を入れてやる。
猫部屋にテレビと座椅子を置く。
…こんなに世話をしてやったのに、今日はとうとう最後の一匹が貰われていく。
また、独り暮らしに戻される虐待。
いいの。
猫なんて大嫌いだから。
最後の一匹もいなくなった。
猫部屋を再び納戸に戻す。
炬燵もテレビも座椅子も居間に戻す。
トイレと餌皿、余ったレトルトとドライフード、猫じゃらしは持参金にくれてやった。
歩いても、ついてくる子はもういない。
座っても、抱かれにくる子はもういない。
やっぱり猫なんか嫌いだ。
いたらいたで手が掛かる。
いないならいないで、可愛がられているだろうかと気に掛かる。
本当に猫なんか嫌いだ。
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