高度3000メートル : パラシュートを出そうと紐をひっぱると、ブラジャーが飛び出す。
高度2700メートル : パラシュートと思って担いでいたものが妹のリュックサックと判明。
高度2500メートル : 一応リュックサックの中を調べる。修学旅行のしおりを発見し、ようやく事態を飲み込む。
高度2300メートル : リュックの中に妹の携帯を発見。急いでFedEXに電話するが、イタズラ電話はやめろと怒られる。
高度2100メートル : 何か役立つものがないか、リュックの中を再度確かめる。
ロリエを発見。羽根がついているがここでは役に立たない。
高度2000メートル : 携帯が鳴る。非通知だ。
「つーか私のリュック間違えてんじゃねーよバカアニキ。なんだよこのパラシュートみたいな布。
マジ意味不明なんですけど。(ガチャ!)」
妹だった。涙で視界がにじむ。
高度1700メートル : 気分を落ち着けるために水筒を開けるが、激しく熱い日本茶が飛び出す。
妹が意外と渋いことを思い出す。
高度1200メートル : 諦めて遺書を書こうと、筆記用具を探す。しかし筆と硯しか見つからない。いつの時代だ。
いや、妹が渋いのを理解した私にとってそんなことはどうでもいい。
それよりももっと重大な問題がある。
──墨が無い。
血は争えないものだ。何をするにも詰めが甘いのは自分とよく似ている。
高度1000メートル : 再び携帯が鳴る。
「バカアニキ、リュックの中漁るなよ(ガチャ!)」
妹よもう遅い。成長したな…… ふぅ。
高度700メートル : ラストおやつ
高度300メートル : ラストドリンク(日本茶)
高度100メートル : …。
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