374 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]
投稿日:2010/01/02(土) 21:47:35.98 ID:5e2tTJbD0
生き別れの双子の兄がいる事は知っていた。当時生活が苦しくて生まれた
ばかりの兄を里子に出されたらしい。
その兄に、大学入学が決まった3月に街でばったり会ったんだ。
全く同じ顔だから間違えようが無い。
兄も俺の存在を前から知っていたようで「今日は就活中で忙しいんだ、次
の日曜日に会おう」と
喫茶店の名を告げて足早に去っていった。
日曜日。
兄が指定した喫茶店に入った。古く小さな店内は5人ほど座れるカウン
ターと4人掛のテーブルが2つ。
兄は手前のテーブルに座っていた、奥のテーブルには40代後半の男女一
組。
俺「俺なんか大学行くし車買ってもらったし、先週はスキーに行ったんだ
よ。就活してるって言うけど
仕事先はまだ見つかってないんだろ?兄ちゃん、家に戻っておいで
よ。」
兄「・・・・・・・・」
俺「絶対そうすべきだよ。」
兄「お前には妹が居るんだよ・・・・・・・・」兄は泣いていた。
俺は全てを悟った。
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