ただ券をもらったので、聞いたこともない名前のサーカスを見に行った。
サーカスにしちゃなんかへんぴな場所にあったけど、久しぶりだし気にせず入った。
中は薄暗く、何人ぐらいいるのかは全然見当がつかなかったけど人がいる気配はするんだ。
突然、舞台中央にスポットが当たって、空中ブランコが始まった。
遠くてよく分からないけどぶら〜ん、ぶら〜ん
やる気なさげと言うか、無気力な感じでブランコに足でぶら下がった女の人が左右に揺れてる。
ぶら〜ん、ぶら〜ん、ぶら〜ん・・・と、ずるっと足がブランコからはずれて転落する。
「え?なに?」
ゴキッ・グチャ
いやな音とともに、なにかが飛び散るのが見える。
女の人は防護ネット突き破って真っ逆さまに床に激突していた。
左右からピエロが走り出てきてぴくりとも動かないその女の人に布をかぶせる。
「うわ、よりによって事故の現場に居合わせちゃった・・・」
いやな気持ちになっていると、布がガサガサっと動き中からさっきの女の人が出てきた。
「何だ、演出か・・・リアルすぎてあんまり感心できないなぁ。」
気分が悪くなってもう見るのをやめようと思い出口へ。
「ずいぶん凝った演出ですねぇ〜あの女の人も大変だなぁ」
気が済まないので出口にいた係員に嫌み言ってやった。
係員はちょっとむっとしたように、でも得意げに答えた。
「大丈夫ですよ。ちゃんと双子でやってますから」
なぁ〜んだ。そうか。
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