10年前、サイパンに旦那と旅行に行きホテルで旦那は買い物・私は入浴して
た。
真昼間に入浴し、ゆったりした外国の風呂で女王様気分を味わうつもりだったの
に
泡風呂で体を沈めて5分もしないうちに浴室の壁からザッ!ザッ!ザッ!と
映画シーンで軍人さんが集団行進する軍靴音がしてきた。
泡の中で硬直する私・・・耳の錯覚だよね♪真昼間に幽霊は出るわけないじゃ。
否定しながらカラ鼻歌の声も震えてきた。
浴室中の壁という壁、鏡の方からも行進足音はドンドン近づいてくて
ゾンビ軍人の幽霊が壁をぶち割るんじゃないかと・・・・
スッポンポンのカール・ルイスのダッシュに匹敵する0.8秒?で
ベッドに潜りこみました。
かなり広い部屋だったので 真 昼 間でも部屋の電気は全て付けてました。
薄い毛布の繊維の隙間から部屋中の様子が透けて見えます。
と ブッ! ブッ! ドアの非常灯が音をたてて消えました。
そして又人ブッ!ブッ!とベッドから遠くの電球が音をたてて消えてくのです。
ベットスタンドの電気が消えた瞬間、横に薄っすら透けた軍人さんが立っている
のが
解りました。
上目使って顔を見る事は恐怖でできずベッド横をみるだけで精一杯でした。
ドロドロだったどうしよう〜〜
軍人さんの革靴の踵をガツンと合わせた音が聞え、
敬礼しているような感じを受けました。
その瞬間、怖さと共にスゴイ悲しみを・・・チョット今思い出して泣いてます。
その時です。
浴室の洗面台の下の扉を蹴り開けて、男が部屋に駆け込んで来たのです。
「ご先祖さん達よ、あんたらの悲しみ、苦しみは理解する。
だがこんな所まで出てきちゃいけないぜ」
恐る恐る毛布のすそをまくって様子を窺うと、なんとその男は
あの、寺生まれで霊感の強いTさんだったのです。
「彷徨える魂を導くのは俺達の役目、さぁもう安らかに眠るんだ」
語り掛けるようにそうつぶやくと、Tさんは軍人達の霊目掛けて
「破ぁーーーー!!」と両手を突き出したのです。
掌から放たれた青白い光弾はまばゆい光となって部屋に広がり、
それがおさまると部屋は元通り、しんと静まり返りました。
毛布から首だけ出して事の顛末を見守っていた私に向き直ると
「もう大丈夫ですよ奥さん。さ、心置きなく入浴の続きをどうぞ」
そう言ってTさんはもといた洗面台の下へと戻って行って中から扉を閉めました。
私は浴室の扉を閉め、側にあったスタンドでつっかい棒をして
逃げられなくするとフロントから警察を呼んで貰いました。
ちょうど戻って来た旦那と共に「寺生まれって凄い…」
改めてそう話し合いました。
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