どういう話の流れか思い出せないが、みんなでかくれんぼをやろうという事になった。
参加者は俺、A、B、C、Dの男ばかり五人(全員二十歳越えたいい大人だ)。
場所は近所のすこし大きな公園。夕暮れ時で俺たち以外は人はいなかったな。
俺が最初の鬼となり、早速みんなを探し始めたんだが…
まず、Aは簡単に見つかった。偶然上を見上げたらそこにいた。
公園に生えてる木に登っていたんだ。結構な高さの木だったな。
まあこれはたいした事ない。木登りの上手い奴だ、とは思ったが。問題はここからだ。
公園には小さな池があるんだが、そこにちいさな杭のようなものがあった。
それがさ、揺れてるんだよ。不自然に。まさか、とは思ったが一応池の中を見たら…
いたよ。Bが。水とんの術だよ。お前は忍者か?かくれんぼでそこまでするか?
Bの奴、びしょ濡れだよ。せめて服を脱いでから隠れるとか、そのくらい頭使え。
「寒い。風邪ひいちまう」
なんて言ってたが、安心しろ。馬鹿は風邪をひかない。
Cが見つかったのは小さい雑木林の中だ。
地面を見ると、Cの生首が転がって…ってそんな訳ない。
Cの奴、首だけ出して地面に埋まってたんだ。全く、水とんの次は土とんの術かよ。根性あり過ぎお前ら。
「おい出してくれ。自分じゃ出れねぇ」
まあそうだろうな。仕方ないから俺、A、Bの三人でCを掘り出す事にした。
そこらの木ぎれなんかをスコップ代わりにして掘ったんだが、土が固いのなんのって。
10分位掘ってもCの体の半分も出てこない。こりゃDも呼ばないと駄目だ、って事になってさ。
俺はでかい声で言ったんだ。
「おーいD。かくれんぼは終わり。俺ギブアップだ。ちょっと出てきてくれ!」
そしたら出てきたよ、Dの奴。公園の公衆トイレの、女子トイレの入り口から…。
なぁD、それはいくらなんでもルール違反だろ、人として。
結局Cを掘り出すのに1時間以上かかり、みんなへとへとになって家に帰った。
二度とかくれんぼはやりたくないな。
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