登録者:えっちな名無しさん
作者:名無しの作者
(・∀・)271(・A・)64
親友からの電話。
「足が痛いから入院するよ。たいしたことはない、一週間くらいだって」
笑いながらの連絡だった。
「そっか、がんばれよ」、まあ日常的な会話。その時たいして気には止めなかった。
一週間後、まだ入院してるとのこと。
エロ本を土産に病院を訪ねた。病室に入るとそこには右足の無い親友がいた。
いっきに視野が狭まり、親友が見えなくなった。
その日の夜、久しぶりに自転車で一緒に通った高校まで走ってみた。
16年前と景色はさほど変わりない。
田んぼ道、涙が溢れて止まらなかった。
長々とゴメソ
もうその親友はいない。
癌だった。足を切断しても全身への転移は止められなかったらしい。でも親友は死ぬ直前まで生きることをあきらめてはいなかった。
死ぬ前の日、
「足が痛いんだ。退院した後困るからさすってくれよ」
「今まで親に迷惑かけたからさ、退院したら家の事業継ごうと思うんだ。
帳簿だけでもつけれるようになりたいから簿記教えてくれよ。」
がんばってた。すごくがんばってた。
その日から自分自身、がんばるって言葉を使わなくなった、というか使えなくなった。
親友に失礼で・・
何十年後か親友に会うことがあるだろう。
「いい人生送れたかい?」と聞かれたら、
「うん、がんばったよ」
と言えるような人生を送りたい。
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