足が痛いんだ。退院した後困るからさすってくれよ

2010年3月8日月曜日 ·

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登録者:えっちな名無しさん 
作者:名無しの作者 
(・∀・)271(・A・)64 
親友からの電話。 
「足が痛いから入院するよ。たいしたことはない、一週間くらいだって」 
笑いながらの連絡だった。 
「そっか、がんばれよ」、まあ日常的な会話。その時たいして気には止めなかった。 
一週間後、まだ入院してるとのこと。 



エロ本を土産に病院を訪ねた。病室に入るとそこには右足の無い親友がいた。 
いっきに視野が狭まり、親友が見えなくなった。 
その日の夜、久しぶりに自転車で一緒に通った高校まで走ってみた。 
16年前と景色はさほど変わりない。 
田んぼ道、涙が溢れて止まらなかった。 
長々とゴメソ 
もうその親友はいない。 
癌だった。足を切断しても全身への転移は止められなかったらしい。でも親友は死ぬ直前まで生きることをあきらめてはいなかった。 
死ぬ前の日、 
「足が痛いんだ。退院した後困るからさすってくれよ」 
「今まで親に迷惑かけたからさ、退院したら家の事業継ごうと思うんだ。 
帳簿だけでもつけれるようになりたいから簿記教えてくれよ。」 
がんばってた。すごくがんばってた。 
その日から自分自身、がんばるって言葉を使わなくなった、というか使えなくなった。 
親友に失礼で・・ 
何十年後か親友に会うことがあるだろう。 
「いい人生送れたかい?」と聞かれたら、 
「うん、がんばったよ」 
と言えるような人生を送りたい。


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