高校時代の話し。
俺は野球部に所属しており朝から晩まで野球に明け暮れていた。
野球部とは強豪高になればなる程上下関係が厳しいものだ。
俺がいた高校も例外では無かった。
一年生=奴隷
二・三年生=神
といった感じである。
一年生は入部届けを出す前から坊主にし、いかなる時も先輩に遭遇した際は、
『ちぃゃぁああああす!!!!』
部活後は、
『お疲れさぁしたぁぁあああ!!!!』
と大声で挨拶しなきゃ練習や部室でボロクソにやられるのだ。
又部活中もろくに練習などさせて貰えず、ただ
『さぁぁいこぉぉぉおおおいぜぇええ!!!!』
『バッチ来ぉぉおおおい』
と叫びながらグランドの隅でボール拾いが日課である。
そんなんだから新入部員は毎年半数は途中で辞めるのだ。
そんな苦難を乗り越え俺達はやっと二年生になった。
だが、二年になってもまだ俺達にゴチャゴチャとイチャモンつけてくるうるせー先輩がいた。
キャプテンの宮崎である。野球は上手く三年からの支持はあったが二年は誰一人、奴を好む奴は居なかったのだ。
宮崎は後輩をイビル際、その気持ち悪い顔面を約10cm前後まで近づけ超近距離体制で怒鳴り散らす。
その為イビられる際に口臭の匂いや、宮崎本体の匂いが何かマジでうんこみたいな匂いがすると多数の証言から発覚した為、二年の間で宮崎はうんこと呼ばれるようになった。
又、宮崎の彼女は何処か地方の牧場にいそうな娘のような風格から俺達は宮崎カップルをうんこ牧場と呼んでいた。
-そんなある夏の日-
その日は長い練習が終わりもうとっくに日が沈み帰る頃には夜だった。
俺とT君は裏門からチャリ通だ。
裏門は外灯も少なく林みたいな感じで10M先は見えない程真っ暗だった。
チャリ置場まで行き帰ろうとしたがノドが渇いていた為俺は林の少し奥にある自販機にジュースを買いに行った。
すると…、
ンッッ………ンッッ…、
っと林の奥から何か音が聞こえるのだ!
俺はお化けかと思いT君を呼んで二人で怖いもの見たさに林の奥へ入っていった。
すると何か奥の方で黒い物体がワサワサ動いている!!!!
俺達はめちゃんこビビった!!!!
『これは本当にヤバイぞ…』
俺達を緊張と恐怖が包み込む!!!!
だが逃げない!!もう少し接近してみる!!
すると…、
ん?…チャリ?
黒い物体の隣にはチャリが置いてあり更にカゴの中には部活のバッグが入っているのだ!!!!
『おい…、てかアレうんこ牧場じゃね…?』
俺も目を懲らして良く見てみる。
『うお!!本当だ!!アイツらまさか…』
俺達を緊張とワクワク感が包み込む!!!!
『うお!!!!牧場の奴ノーパンだぞオイ!!!!』
牧場が下半身むき出しで上下にポンピング動作している!!!!
『ヤってんよアイツラ!!!!めっちゃヤってんよ!!!!牧場がうんこに騎乗してんよ!!!!』
俺達は爆笑をなんとかこらえる!!腹がちぎれそうだ!!
そして作戦会議!!!!
『どぉするどぉする?ww
とりあえず監督呼び出しかけっか?wW』
『いやいやちょっと待て!!とりあえず石投げてみよぉぜ!!wwW』
『いやいやもうアレだ!!走ってってドロップキックしよ!!!!』
『いやいや…、』
中々作戦が決まらない!!
そして5分後…やっと作戦が決まった!!
木々に身を潜めながら慎重にうんこ牧場エリアに近づく……、
残り5m…、
4m…、
3m…、
アクション!!!!
ガサガサ!!!!
俺達はその正体をあらわにし大きく息を吸い込んだ…、
そして…、呆気にとられているうんこ牧場の目の前でこの日1番のビッグボリュームで叫んでやった…、
『ぅぉぉぉぉおおおお疲れさぁしたぁぁぁぁああああああ!!!!!!!!』
…そう、この作戦は先輩に対する俺達後輩の義務でもあったのだ。
翌日から二年に対し、著しく士気が下がった宮崎だった…。完
1 コメント:
あなたも、
『ぅぉぉぉおおおお疲れさぁしたぁぁぁぁああああああ!!!!!!!!』
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