「命、命…。ボクはみんなの命を守りたい。地球の命を守りたい!」
素晴らしい。ホントにそうだね。でも、君は命のホントの重さが分かってるの
かな?
「もちろんさ! みんなが友に愛すればいいんだよ。友愛さ。これで世界はみ
んな幸せになるよ。世界だけじゃない。宇宙も幸せになるよ!」
なるほど…。確かにそうだね。それなら、どうしてアメリカの友達に「うちか
ら出て行け」って言うんだい?
「だって、乱暴だし、でっかい武器を持っているし、それに騒がしいから迷惑
なんだよ」
君がひ弱でいじめられそうだから、アメリカの友達が守ってくれようとしてい
るってことはないのかな?
「近所の友達はいじめっ子なんかじゃない。信頼してあげないとダメだよ。そ
れにアメリカの友達がうちにいるときには、ちゃんとお小遣いも渡しているじゃ
ないか!」
それじゃあ、アメリカの友達は友達じゃないじゃないの? そういうのをカネ
で雇った「用心棒」というんだよ。
「何言っているんだよ。アメリカ人はボクの無二の親友だよ!親友だから守っ
てくれるのは当然だよ」
ああ、親友なのか。
「もちろん、そうさ。困ったときに助けあうのが親友だろ?」
ふ~ん。じゃあ、親友だったら、アメリカの友達が困った時には君が助けてあ
げるんだね。
「それは無理だよ。うちの家は暴力は絶対ダメだって決められているし…。そ
れに危ないモノを使ったり持ち込んだりすることは絶対にダメだよ!」
なるほど…。でもアメリカの友達は、君が危険な目にあったら「命がけで守
る」って言っているんだろ。
「そりゃそうさ。ボクのアメリカの友達はすっげーっ強いんだよ」
すごく強い友達だから助けなくていい。だから自分がいじめられたら助けるべ
きだ。でも、乱暴で迷惑だから家には出入りしてほしくない。それって、すごく
自分勝手じゃない? それで友情はなりたつの?
「僕を信頼してよ!」
そう言われても信頼の証はあるの?
「それは5月までに必ずみせるからさ~」
わかった。じゃあ話題を変えよう。君はママからこっそり月1500万円もお
小遣いをもらっていたってホントかい?
「ボク、知らないもん!」
君の小遣い帳には近所のオジさんやオバさんにもらったと書いてあるけど、死
んだ人の名前まで書いてあるよ。お墓から出てお小遣いをくれたのかな。
「ボクは知らない。お手伝いさんが勝手に小遣い帳をつけていたんだ」
じゃあ、君が学校の友達に気前よくおごっていたお金はどこから出てきたのか
な。
「ボクの家は恵まれているから、小遣い帳のことなんか知らないんだ」
あ~っ、分かった。サンタさんがくれたんだ! でもサンタさんは年に1回ク
リスマスにしか来ないんだよ。君だけに毎月にようにサンタさんが来るのはおか
しいと思わないの? しかも普通の子供よりもずいぶんゴージャスなプレゼント
だよ。
君の弟は「ママからもらった」と認めているじゃないか。
「学校の先生(検察)がそう言うならばそうかも知れません。でもボクは知ら
なかったんだ」
たぶん、君が寝ている間に、ママとお手伝いさんが君のお財布をいっぱいにし
てくれていたんだと思うよ。でも、毎朝起きたらお財布がいっぱいになってい
て、不思議だとは思わなかったの?
それにこんなにお小遣いをもらったら「税金」というものを払わないといけな
いんだよ。
「先生が言うから払いました…」
自分ではママからもらったとは思わないけど、先生がいうから税金だけは払っ
たの? いくら?
「6億円…」
すごいね! そんなお金普通の人は持ってないよ。その税金はどこから払った
の?
「…」
自分の言葉に責任を持ち、家族の面倒を見て、自分の責任は自分で取る。それ
が大人だよ。君はホントに大人になりたいの?
「ぼくは命を守りたい。それだけなんです…」
命は大事だ。でも、人の命をミミズやオケラと同じに考えてはダメだよ。
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