697ななしのいるせいかつ:2007/06/11(月)19:31:07
じいちゃんとばあちゃんは2人で暮らしてた。ばあちゃんはボケが進んでた。
じいちゃんが介護してた。いろいろ大変だったみたいだけど、
会話はできているようで、人が思うほど大変じゃないよって言ってた。
ばあちゃんの家に行くと、いろんな事が紙に書かれていた。「冷蔵庫は閉めましょう」「電気は消しましょう」「トイレは←」「ふく、くつした↓」とか、
いろんな字がじいちゃんの手で半紙に筆で書かれていた。
書いてあれば守ってくれるんだって。
じいちゃんはいつも一緒にいてあげたけど、どうしても区役所とか病院に薬をもらいにとか出かける事があった。
心配だけど「外には出ないこと」と玄関に書いておけば、大人しく待っていて
くれたんだって。
ある日、じいちゃんが出かけた。
もちろん玄関には「外には出ないこと」と書いておいた。それなのに、じいちゃんが戻ってきたら、ばあちゃんは家のすぐ前で車に
轢かれてしまっていた。救急車で運ばれた。
じいちゃんが駆けつけると、待っていたかのように、じいちゃんの手を強く
握って天国へ行った。
じいちゃんはとても悔やんだ。家族全員も悔しかった。今まで書いてあることは必ず守ってたのに、なぜ家を出たんだろう。
家族同然の付き合いをしていた隣のおばちゃんが話をしてくれた。
事故の直前、急に雨が降ってきて、おばちゃんは布団を取り込みに庭に出た。
すると、ばあちゃんが傘を持って慌てて道路に出てったそうだ。
その時に事故にあった。
じいちゃんが勤めていた頃、ばあちゃんは雨が降ると必ず駅までじいちゃんを
迎えに行ってたそうだ。ちょっとでも雨が降ると必ず迎えに行ってたんだって。
雨を見て、じいちゃんが家に居なくて、傘を持っていこうとしたのだろう。
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