気味が悪いから消そう。

2010年3月15日月曜日 ·

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友人と肝試しに行こうということになり、彼の車で出かけた。
つい先日小さな子どもの惨殺事件のあった場所だ。
未だ犯人は捕まっていないらしい。
発見現場に着くと、そこには多数の花が供えられている。
俺たちはまだ独身だったが、子どもを無くす親の気持ちは相当なモノだろ
う。
その時だ。
突然、『バン!バン!バン!』と俺の座っていた助手席
側の窓をたたく音がした。
俺たちはあまりの恐怖に絶叫しながら猛スピードでその場を離れた。

少し離れたコンビニでとりあえず落ち着こうと車を止め、
ジュースを買いに車から降りた。ふとドアを見たときに衝撃が走った。
手形だ。助手席側の窓一面に小さな白い手形。
コンビニのライトに照らされたくさんそれが浮かび上がっていた。
再び顔面蒼白になる二人。
「気味が悪いから消そう。」
おれはそう言って、その窓を震えるで袖で拭う。
しかし、何度も拭うが全然落ちない。
よく見るとその手形は全て、窓の内側、室内からつけられたモノだった。
「これって…」
と、言いかけて俺は声を止めた。
俺は気づいてしまった。今ここにある別の恐怖に。


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