私はこの家で働いているメイドです

2010年3月17日水曜日 ·

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ある日、男が家に電話をかけると、彼の妻ではなく知らない女が電話を
取った。

不審に思った男は彼女にたずねた。
「誰だね君は?」
「私はこの家で働いているメイドです」
「うちではメイドは雇ってはいないはずだが…」
「ええ、でも私は今日奥様に雇われたばかりなので、ご主人にはお会いし
ていません」

夫はまたかと思い、苛立ちを隠さず言った。
「妻に替わってもらえるかね?」
「奥様は今寝室で休んでおいでです。いっしょにいる男性がご主人だと私
は思っていたのですが…」

それを聞いた男は何かを考え込むようにだまり、そして思いきったように
言った。
「君は5万ドルほど稼いでみる気はないかね?」
「…どうすればいいんですか?」

男は静かに言った。
「電話台の下の引き出しに拳銃が入っている、弾は既にこめられている。
君がやるのは二階へ行って二人を撃ち殺すことだ。できるかね?」
「分かりました。やりましょう」

受話器が置かれる音がした。そして階段を上っていく足音が聞こえた。
そのあと2発の銃声が聞こえた。そしてまた階段を降りる足音がし
た。

メイドが電話に戻った。
「もしもし」
男はほくそえんで訊いた。
「やってくれたかね」
「ええ、死体はどう処分しましょう?」
「そうだな、プールにでも放り投げておいてくれ」
「プール?家にはプールはありませんが…」


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