677 1/2:2008/02/07(木) 02:50:03 ID:gPCGbT/x
のび太は焦っていた。倒しても倒しても湧いて出て来る出来杉。
気が付けば行き止まりまで追い込まれてしまっていた。
のび太「ここまでか…」
のび太にはもう逃げる体力すら残されていなかった。のび太の脳裏
をたくさんの思い出がよぎった。ドラえもんやみんなとたくさん冒険
した事、しずかちゃんのシャワー…
増えに増えた出来杉180体が、のび太を取り囲んでいた。
のび太「みんな…ごめんよ」
飛びかかる出来杉。のび太は目を閉じて最後の時を待った。
グサッッ!!!!
のび太「僕は死んだ…のか?」
恐る恐る目を開けたのび太は、信じられない光景を目の当たりにし
た。そこには、出来杉に腹部を貫かれたジャイアンが立って
いた。
ジャイアン「逃げ…ろ!のび太っっ!」
のび太「なんで…ジャイアンが?」
ジャイアン「へへっ…お前をイジメていいのは俺様だけ…だからな」
のび太「ジャイアン…」
678 2/2:2008/02/07(木) 02:50:55 ID:gPCGbT/x
そこに居たのは、いつものび太をイジメていたハズの
ジャイアンではなかった。友達の為に命を捨てる、そんな勇気
に溢れる男だった。ジャイアンのオレンジロンTはみるみる血に染
まっていく。
ジャイアン「は…やく、逃げ…ろ!ノロマ!」
気がつくとのび太は走り出していた。ここまでのび太の為にたくさ
んの人が犠牲になった。ドラえもんはのび太を逃がす為、尻尾
だけになってしまった。ママやパパ、スネ夫にしずかちゃ
んも。
のび太「みんな…なんで!」
のび太の目からは大粒の涙が溢れる。張り裂けそうな胸に、の
び太は振り返る事が出来なかった。走って行くのび太の背中を見つ
めながら、ジャイアンは微笑み呟く。
ジャイアン「心の友よ…」
のび太は追ってきた残り179体にやられた。


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