○○ちゃんは天国で新しい足

2010年1月11日月曜日 ·

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昔、栃木にいたころのはなし。
両毛線という単線があって山前という駅と小俣という駅の間に
川があってカーブの鉄橋があったんだ。子供だから時刻表なんて知らない
わけ、
ひとり小児麻痺の子がいてさ、いつも一緒に遊んでていつものように鉄橋
を渡ったんだ。
本当にいつも怖くてさ、でも本当に列車が来たんだよ。
渡りきっていた俺たちは後ろを見て固まったさ。
今でも思い出すよその列車の汽笛とブレーキの音。
怖くてみんなで逃げ返ったさ、俺なんか何時間も押入れに隠れてたよ。
そして、そいつの母さんがうちに来たんだ、鬼のような能面のような顔
だった。
「○○ちゃんいつもいっしょに遊んでくれてありがとう」
「○○ちゃんは天国で新しい足をもらってみんなより早く走ってるよ、
きっと。」
忘れられないな、あの時の顔。


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