アメリカン・ドリームが叶った瞬間

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昭和38年。ペンてるから一本の水性ペンが発売された。
その名は、サインペン。
当時使われていた油性ペンは裏写りしやすく、画数の多い漢字には不向
き。
清書も、まだまだ筆が主流であった。
気軽に宛名書きができるペンを作りたい。
数年の試行錯誤の末、ペンは完成。
しかし、売れなかった。予想外だった。
起死回生を賭け、ペンてるは昭和39年、シカゴで開催された『文具
国際見本市』にサインペンを出展。
無料で配布した。
そのうちの一本が時のアメリカ大統領、L･B･ジョンソン
の手に渡る。
なんと言う書き心地だ。
ジョンソンは288本を受注。翌年、ジェミニ6・7号に
も採用され、宇宙へと旅立った。
このことは世界中に知らされ、20億本を売り上げた大ベストセラー
商品の地位まで登りつめる。
アメリカン・ドリームが叶った瞬間であった。

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