ある日携帯が鳴った。 間違い電話だった。

2010年1月10日日曜日 ·

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ある日携帯が鳴った。
間違い電話だった。
けれど何故だか話が弾んでしまい、二度目の電話を約束して、三度目の約束も交わし、何故か電話友達というものになってしまった。
話すことは他愛もない。
今日あった出来事とかお互いの友達の話とか、テレビで仕入れた珍しいもの話とか食べ物の好みとか、どうでもいいことばかりだったけど、凄く気が合うし楽しかった。
気になることと言えば、少し相手の声が遠く聞こえることと、電話の向こうがやけに静かなことくらいだった。
ある日、ふと相手が言った。
---ねえ、怖い話、好き?
私は好きだと答えた。
実際怪談やホラーの類は好きな方で、人よりは良く見たり読んだりしている方だった。
---じゃあ、こんな話はどう。
ある日、電話が鳴るの。
夜中に突然。
それは間違い電話で、でも普通の電話なんだけど
何故か相手とすごく気があって、何回も電話するようになるわけ。
でも、かけてくるのは必ず向こう。
かかってくるのは必ず深夜2時。
ある日、ふと思い立って
なんとなくこちらから電話をかけてみると
いくら鳴らしても相手は出ない。
それでもずっと鳴らしていると知らない人が出てきて言うの。
「ここは公衆電話ですよ」
それを確かめるために、その公衆電話にいくと、
そこは、山の近くの寂しいところにぽつんと立っている公衆電話   で。
小さな道を挟んだ向こう側にはびっしりと並ぶお墓があったの…。
私は、思わず笑った。
だけど、背中がひやり、としたものを感じた。
相手は言った。
小さく笑って、言った。
---確かめてみる?
いいよ、と私は言って、一度電話を切りメモリに残ったその番号にかけ直した。
呼び出し音が鳴る。
ふと、後ろの窓をなにかが、コン、と叩いた。


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